サービス導入企業インタビュー

社員の教育やフォローなしに新規開拓でき、ノウハウも手に入る
滋賀県に本社を構えるエス・アイ・オー・ジャパンは、アメリカのフリーズドライ食品メーカーが製造する非常食「アルパインエア」の日本総輸入元、総販売元である。

アルパインエア」は最長25年間保存可能であり、コストパフォーマンスが非常に良い。信頼性と品質の高さから、NASAアメリカ軍、日本国内の官公庁や企業の備蓄非常食として採用されている。また同社では、日本人の食生活に合わせた「ファーメスト」という、日本メーカーによるオリジナルブランドも扱っている。

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「弊社の商品の納入先は官公庁が多く、我々はおもに入札資格をもつ代理店に卸していますが、一般企業に対しては、まだまだアプローチしきれていないのが現状です。そのため、今後は一般企業や病院などにも積極的に営業していきたいと考えています。」と同社代表取締役社長の尾賀健太朗氏は語る。

同社は長年、関西を拠点に事業を展開してきたが、2017年5月に東京事務所を開設。今後は日本全国にわたる新規顧客の開拓に力を入れていくという。新規顧客獲得のための試みとしては、これまでもDMや展示会などは行ってきた。さらに販路を広げるうえで電話営業が欠かせないということは分かっていたが、少数精鋭の同社では人材リソースに限りがあり、新規アタックにはまったく手がつけられていなかった。

きっかけは知人からの紹介
「社内で電話営業を行うとなると、社員の負担が大きくなり、既存客へのフォローなどを犠牲にせざるをえません。新たに社員やスタッフを雇うにしても、教育やフォローが必要だし、何よりもコストがかかります。この状況をどうにかできないか。そのようなことを考えていたときに、知人からアイドマ・ホールディングスを紹介されたんです」(尾賀氏)

その後、尾賀氏はアイドマの担当者から、そのサービスについて詳しく話を聞く。そして〝電話営業はやはり社内で行うより、アウトソーシングをしたほうが効率的だ〟と判断した。

「電話営業をアイドマさんにアウトソーシングすることで、うちの社員は対面営業により専念できます。またアイドマさんは単にアポ取りを代行するだけでなく、検証データをテストし、トークスクリプトも提供していただけるなど、営業のノウハウや資産が弊社に残るところもメリットが大きいと思いました」(尾賀氏)

AIを駆使したデータベースの充実ぶりに驚いた
尾賀社長のもと、同社の営業全体を率いているのが、営業課長の廣田修也氏だ。東京事務所に勤務し、北海道から静岡まで東日本全体の営業活動を担っている。廣田氏はまずアイドマの担当者からの丁寧なヒアリングを受けた。事業概要や製品の特徴を説明し、これまで使っていた営業トーク、これから売り込みたいターゲットなどについて話をした。その内容をもとにアイドマでは、のべ4,000社の新規営業開拓を支援してきた成功パターンやノウハウをインプットしたビッグデータからAIがターゲットを抽出。複数のトークスクリプトを用意し、昨年9月から、おもに病院や一般企業をターゲットにテストマーケティングを始めた。

 


「新しい試みだったので、いろんな分野や業界をセグメントし、それぞれに対する戦略を立て、トライ&エラーを重ねようと思いました。最初にアイドマさんのデータベースを見させてもらい、その内容の充実ぶりにこれなら安心してお任せできると思いました。トークスクリプトも、最初からこちらの納得いくものをご提案いただけ、ありがたかったです」(廣田氏)

まずは病院、官公庁、一般企業からアタックを始める。これらは廣田氏も想定していた通りの反応を得ることができた。その後、アイドマの担当者からの提案で、大学や専門学校へターゲットを広げた。

導入後アポイント率が3~4%上昇
「実は大学や専門学校に対してはアポがとれるのか、半信半疑の部分もありました。でもテストでアタックしてみたところ、意外とヒットするので驚きました。アイドマさんが長年、蓄積してきたセグメントやターゲティングなどのノウハウのたまものだと思います。おかげさまでこちらも忙しくなり、既存のお客様のフォローに回れなくなって困っているほどです(笑)」(廣田氏)

2017年9月から2018年2月までの契約期間でのアポイント率は3〜4%上昇。思っていた以上に良い結果だったため、今年の3月から契約を更新した。そして4月には、何と6.9%ものアポイント率を達成した。このように高いアポイント率が達成できている理由としては、「アルパインエア」の商品特性、商品力も大きく影響しているようだ。

日本の食品メーカーが製造している非常食は保存期間が5年のものが大半。しかし「アルパインエア」は10年以上、ものによっては25年もの長期保存が可能である。購入価格を保存期間年数で割れば、コストパフォーマンスは圧倒的に高い。そこで人口の多い地域など、非常食の購入においてコストを重視している役所にとって、「アルパインエア」は非常に魅力的な商品なのだ。長期間、非常食の切り替えが必要ない点は、業務の効率化を図りたい大企業にとってもメリットが大きい。

アルパインエアは数字で商品力を明確に打ち出せ、商品のエッジが効いているため、魅力やメリットをアピールしやすい。そのため普通の商品より電話営業がしやすいことを、改めて痛感しました。セグメントやターゲティングが的確で、リストの質さえ良ければ、〝うちの商品は10年、25年も保存できます〟と伝えるだけで、〝そんな商品があったのか〟〝詳しく話を聞いてみたい〟となるケースも多いのです」(尾賀氏)

電話営業時にセールスが進んでいるため、対面時の成約が早い
アイドマによる電話営業は、様々なターゲットをテストし成功パターンを検証するところだけではない。取れたアポイントの質が高いところにも二人は満足しているという。

 

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「取ってもらったアポ先に訪問して感じるのが、成約までの話がとても早いことです。電話営業の段階で、効果的なトーククスリプトによって、商品のメリットがしっかり伝わり、セールスが進んでいます。そのため私がゼロから説明する必要がないんです。アイドマさんと組むことで、フィールド営業もうんと楽になりました」(廣田氏)

同社はアイドマのサービスを活用したことで、昨年の4か月だけで2件の病院への新規契約が結べたという。今期はアイドマのCrowdSalesを導入したことによる売り上げがすでに1,000万円弱見込めている。

今後の課題は民間売上比率の向上
「当初、想定していた目的は十分に達することができました。アイドマさんはもはや我々の一部ともいえる、大切な営業部隊です」(尾賀氏)

「月2回、最低でも1回は打ち合わせを重ね、細かな調整を重ね、より効果的な手法をテストし検証してきました。こちらの要望にも柔軟に対応していただけ、とても満足しています。今後は弊社の営業との連携や、営業活動の効率化など、うちの営業すべてをトータルで支援していただくようなこともお願いしたいです」(廣田氏)

今もエス・アイ・オー・ジャパンの売り上げの7〜8割は、商社や代理店を経由しての官公庁関係への納入だという。アイドマ・ホールディングスと協力しながら、いかに民間売上比率をあげていくか。それが今後の課題である。

「うちの商品は本当にすばらしいのですが、まだまだ知らない方が圧倒的に多い。弊社の商品を知らないがために、余計なコストを負担したり、切り替えのための労力を多く費やしていたりする方々も少なくありません。今後もアイドマさんと力を合わせながら、我々の商品を広げていくことで、社会に大きく貢献したいと考えています」(尾賀氏)